火災保険選びのポイント【新築マンション】
自分が住む家にぴったりの火災保険について、注意したいポイントや選び方などを紹介しています。新築マンションの場合はどのような点に注意して選べばいいのか、専有部分に関する考え方、上塗基準と壁芯基準、建物・家財の評価額についてなどをチェックしてみましょう。
新築マンションの火災保険選びのポイント
新築マンションを購入する際にしっかり意識しておきたい、火災保険の選び方。火災保険は、「ローンを組む銀行や、不動産業者から見積もりをされた保険にそのまま入る」という方法を選んでいる方が大半です。内容に納得できるならいいかもしれませんが、自分自身でしっかりプランを選ぶべきだったというケースも考えられます。新築マンションを購入するときにチェックしておいたほうがいい火災保険のポイントについて、あらかじめ知っておきましょう。
補償内容を取捨選択できる火災保険を選ぶ
火災保険を選ぶ際は、できるだけかかる費用を抑えたいという方も多いと思います。補償内容の範囲が広いと安心感はありますが、保険料が高くなってしまうことがネックになることもあるでしょう。 費用をおさえつつ補償がしっかりした火災保険を選ぶときのポイントは、「補償内容を取捨選択できるかどうか」を重視しましょう。例を挙げるとすれば、雪の降らない地域での雪災補償です。「雪による被害がほとんど考えられない地域では補償内容から雪災をはずす」など、住む環境によって補償内容を変更できる保険を選びましょう。
新価方式と実損方式について
新価方式とは
保険金額の設定基準には、「新価方式」と「時価方式」という2種類の方式があります。新価方式とは、住んでいるマンションと全く同じものを購入することを仮定した場合、必要になる経費を全額で補償するものです。一方時価方式とは、現在住んでいるマンションから劣化した分を差し引いた現在評価額を補償するものをいいます。購入したときは新築のマンションでも、住み続けて時間がたった場合、その分が劣化したとみなされます。現在は新価方式が主流ですが、時価方式の場合はその点に注意しておきましょう。
実損方式とは
実損方式とは、損害があった実損の額が補償されることをいいます。評価額2000万円のマンションに保険金額を1000万円と設定し、火災によって200万円分の損害が出たときに、200万円がそのまま補償される方式です。そのほか、「比例てん補方式」というものがあり、これは評価額と保険金額の割合に応じた補償額が下りる方式のことです。上記と同じく評価額2000万円の中古マンションに保険金額を1000万円と設定し、火災によって200万円分の損害が出たとします。このとき比例てん補方式では、「実損額200万円×1000万円÷2000万円=100万円」という計算式で補償額が決定します。大半の火災保険は実損方式を使用していますが、もし比例てん補方式の場合は補償額が不利になってしまいますので注意が必要です。
専有部分に関する考え方
マンションには、「共用部分」と「専有部分」という建物内の区分があります。一般的に、入居者が火災保険をかけるのは「専有部分」です。共用部分とは玄関ホールやバルコニーなどを差し、その部分においてはマンションの管理組合が火災保険に加入していることが多いです。専有部分とは住んでいる室内や間仕切りの壁など、簡単に言うと自分の居住スペースのことを指します。マンション内で難しいのは一見自分の専有物だと思われる窓ガラスやバルコニー、玄関扉などです。それらは勝手に色を塗り替えたり広告を出したりすることを禁止するなどの意味合いから、マンションの管理規定において共用部分とされていることが多くなっています。どの部分が専有でどの部分が共有なのか、マンションの管理規約で確認しておくと安心です。
上塗基準と壁芯基準について
どこからどこまでが専有部分なのかを判断する基準として、「上塗基準」と「壁芯基準」というものがあります。上塗基準とは、壁や柱部分を除いた表面の部分(壁紙部分など)からを指し、壁芯基準とは壁や柱の中心部から内側を指す言葉です。マンションの規約に「天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする」といった文言があった場合、躯体部分を除いているので上塗基準であることがわかります。火災保険は上塗基準か壁芯基準で専有部分の面積を確認してからかけるようにしましょう。
建物・家財の評価額について
建物や家財の評価額は、新価方式を基準として設定されます。新価方式は「住んでいるものと全く同じマンション・同じ家財を新たに購入する場合に必要になる額」を保険金額にすることを言います。新価が2000万円のマンションと家財であると評価されて保険金額が2000万円、という内容で契約した場合、建物と家財をすべて火災で失うと2000万円の保険金を受け取れることになります。全て失ったわけではなく、例えば1000万円の損害だった場合は、1000万円という金額になります。
実際に受け取れる金額
火災などによる災害でマンションに損害が出た場合、実損分の保険額が支払われます。保険金額が2000万円という設定でも、被害金額が200万だった場合、実際に支払われる金額は200万円です。ただし床面積80%以上の被害が出た場合は「全損」と見なされ、全額の保険金額が受け取れます。