第3話・明るい未来へ【受取編】
現地調査を終えた鈴木家。第三話は、火災保険の調査の結果を知り、保険金を受け取るまでのお話です。
登場人物:鈴木家
- 鈴木まみ(33)…ひと月前建てたこだわりの注文住宅で充実した毎日を送る専業主婦。1歳の息子を夫に預け、ママ友との食事会に出るまでは幸せな毎日を送っていたが…。
- 鈴木隆史(36)…火災を引き起こした張本人。多趣味で少年の心を持つサラリーマン。夢だった自分だけの趣味部屋で寝タバコをしながらうたた寝していたことが原因で火事に。
- 鈴木陸(7)…明るくやんちゃな小学2年生。
- 鈴木美央(1)…鈴木家待望の長女。
調査結果から受け取りへ
1時間程度の現地調査が終わり、それをもとに調査会社が申請資料を作成してくれた。
数日後に口座を見てみると、まとまった金額が振り込まれていた。
内心ホッとしたものの、半壊した家を元に戻すにはまだまだ足りない額だ。
これからもしばらくは公営住宅生活を強いられることになるだろう。
家を作るとき、プランや補償内容をろくに確認せず、不動産会社の言われるがままに入った火災保険。
もっと自分たちの「万が一」を想像できていたら、もっと早く元の生活に戻れていたかもしれない。
そう思うと、火災保険を「めんどくさい」「なんか難しそう」と向き合わなかった自分に嫌気がさした。
今回の火災の原因は、隆史が「うっかり」火を消し忘れてしまったこと。
「重大な過失」ではなかったため、補償の対象として認められたが、その判定基準すらろくに理解できていなかった。
この国にいる以上、災害のリスクとはいつも隣り合わせということ、万が一に備えた保険の準備が必要ということを痛感した。
_____3年後
結局私たちはあの家と土地を売って、新しい場所で新生活をスタートさせた。
道行く人に焼け跡をスマホでパシャパシャ撮られたり、好奇の目にさらされて、とてもじゃないがあの場所で暮らすことはできなかった。
今でも火災が起きた現場近くに行くと、動悸が止まらない。
今の家は、あのマイホームのように広いわけでも新しいわけでもない。それでも、命があっただけ良かったと今なら思える。
完
保険金の申請から支払までの流れその3・
「審査・保険金の受取り」
申請内容確認・審査は、保険金支払の申請内容を厳正に審査します。場合によっては保険会社が現地に出向き最終鑑定を行うことがあります。
申請内容に問題が無ければ保険金の支払手続きに移ります。保険金の受取りでは、適用される保険金額が決定し、保険会社から保険金が振込まれます。
ここまでかかる日数は2週間から30日程度ですが、放火など事件性があるものは調査に時間がかかりさらに日数が必要なこともあります。
まとめ
第三話、いかがでしたでしょうか?自然災害は、いつ自分の身に降りかかってきてもおかしくありません。万が一のために、自分に合った火災保険商品をじっくり調べてみてくださいね。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。