火災保険は一度使うともう使えない?

火災保険は万一のリスクに備えるものなので、使用する機会もなく疑問を残したままの場合もあります。一度使うとその後は使えなくなってしまうのかというのもその1つ。ここではそこに焦点を当てて解説していきます。

一度使うともう使えなくなってしまうの?

火災保険は一度使ってしまうと契約が終了して使えなくなってしまうのでしょうか?結論から言ってしまうと保険金額に達するまで何回でも使えます。また一度申請したら保険料が上がってしまうこともありません。

なぜ使えなくなってしまうようなイメージを持つのかというと個人向けの損害保険で馴染みのある自動車保険の影響があります。自動車保険も一度使ったら使えなくなることはないですが、等級が下がって保険料が上がります。

火災保険の補償対象は火災や自然災害のように損害額が大きくなりがちなので、一度使って多額の保険金が支払われると、次回からは使えなくなってしまうではないかと考えてしまうのですがそのような心配は必要ありません。

もちろん無限に保険金が支払われ続けるわけではありません。設定した保険金額に達すると契約が終了しますが、それまでは何回使用しても罰則があるわけでもないですし、翌年から保険料が上がってしまうということもありません。

ただし申請するには審査もありますし、損害が生じたとわかる写真などの証拠が必要となります。電話1本すれば翌日には保険金が振込まれるということはなく、損害があったことが認められた場合のみです。

火災保険の申請の際に注意したいこと

火災保険の請求申請を行うにあたり、やってはいけない禁止事項があります。当然のことですが、虚偽の保険金請求は違法行為になり保険会社から訴えられる可能性があります。わざとモノを壊して請求するのも不正行為です。

また実際の損害額よりも過大に請求することも虚偽申請に該当します。また複数の保険会社と契約していることを隠して保険金を多く受け取ろうとするのは「焼け太り行為」と言われるもので、これも不正行為になります。

火災保険の基本的な考え方は災害に遭ったことで生じた損害額を補填するというものです。したがって損害額以上の請求はできませんし、保険金も支払われません。その代り正当な請求であれば何回でも請求できるのです。

保険金を申請する際には、まず自分なりに被害状況をしっかり把握することが必要です。どのような状況でどの箇所が破損したなどきちんと説明ができないと、不正請求ではないかと疑われかねません。

また一度目の保険金請求の際と全く同じ理由で損害が生じた場合は、改善が見られず管理に問題があるのではないかと判断されることもあります。偶然に起きた事故でも二度と起きないようにする努力や改善は必要になります。

編集部からひとこと

火災保険で保険金を請求する場合は、契約の保証範囲内であれば何回でも可能です。逆に保証範囲外の損害を請求しても保険金は出ません。火災で建物は補償されても、家財が対象外なら家電や家具の補償はないのです。

そのような事態になることを避けるためには契約した火災保険の補償内容をしっかり把握しておくことです。万一の災害が起きた時にしっかり守ってくれるかどうかは、自分にぴったりの保険に入っているかどうかに掛かっています。