火災保険の一括払いと年払いはどちらがお得?
火災保険の支払い方法には年払いと長期一括払いの2種類があり、契約時にどちらにするかを選ぶことになります。そこで迷わないために、それぞれの知っておくべき特徴やメリット・デメリットについてまとめました。
長期一括払いのメリット・デメリット
長期一括払いとは契約時に選んだプランの保険料を一括で支払うことを言います。最長で10年、その他5年、3年など希望に応じて設定することが可能です。以前は最長36年まで契約が可能でしたが2015年10月から10年超の契約は廃止になりました。
長期一括払いの最大のメリットは一括で保険料を支払うことで支払総額が安くなることです。長期契約というかたちをとれば毎年継続の手続きが必要なくなるため、更新を忘れて契約切れになる心配も無くなります。
その一方で補償内容を見直す機会が減り、もし保険契約の途中でもっとお得なプランが発表されても簡単に変更できないなどのデメリットがあります。また保険商品の内容が改定されて補償内容が変わっても加入時のままになります。
さらに一時的にまとまった金額を支払うことになるため総額では安くなっても、支払った年の保険料の負担が増えてしまうことです。経済的に余裕があればよいですが、その年に大きな買い物の予定がある場合は注意が必要です。
年払いのメリット・デメリット
年払いとは1年ごとに契約を更新し、それに応じて保険料を支払う方法です。年払いというと月単位のものをまとめて支払うイメージを持つかもしれませんが、一般的な火災保険の契約ベースで考えれば最小単位になります。
年払いのメリットは毎年保険内容の見直しができることです。火災保険は以前よりお得な新商品が出ることがありますが常に有利なものに乗り換えていけます。また一度に高額な保険料を収める必要がなく資金繰りがしやすいというメリットがあります。
ただし契約更新を忘れてしまうリスクもあります。保険の契約期間をしっかり管理していれば問題はありませんが、うっかりすると火災保険を契約していない期間ができてしまい、その間はリスクに備えることができません。
また長期一括払いと比較すると年間あたりの保険料が割高になってしまうことがデメリットとして考えられます。1年契約と2年契約ではそれほど差が生じませんが10年の長期一括払いと比べると違いが明確になります。
覚えておきたい火災保険の長期係数
長期一括払いと年払いとでは総額の保険料が違うということは感覚的にわかってもどれくらいというのはわかりにくいかもしれません。その際に指標として使えるのが火災保険の長期係数です。
長期係数表 | |||||
2年 | 1.85 | 5年 | 4.30 | 8年 | 6.70 |
---|---|---|---|---|---|
3年 | 2.70 | 6年 | 5.10 | 9年 | 7.45 |
4年 | 3.50 | 7年 | 5.90 | 10年 | 8.20 |
総額の保険料=1年間の保険料額×長期係数
例えば年払いの保険料が4,000円だった場合にこれを5年の長期一括払いにすると4,000×4.30=17,200円。4,000円を5年間支払うと20,000円ですので、長期一括払いの方が2,800円得になるということになります。
編集部からひとこと
火災保険の見直しをする際は保険料も重要な判断基準になります。長期一括払いにすると保険料の総額が年払いよりも安くなるのでそこにメリットを感じる人もいますが、一方で一時的な負担が増えるのをデメリットに思う人もいます。
それぞれメリットとデメリットがあるため、どちらの選択が正しいということはありません。重要なことは保険料の支払い方法も含め、契約しようとする火災保険が自分に合っているかどうかを見極めることです。